ムンバイー:ひどい雨の中を4人家族が1台のスクーターで移動する姿が、ラタン・タタを10万ルピー(約28万円) 車の開発に駆り立てた。しかし、それだけではない。彼を駆り立てるインド国民が抱えるもう一つの問題があった。それは、 インド国内の数百万人には、安全な飲み水が手に入らないことだ。タタ・グループの総帥は、 この問題を解決するために低価格浄水器の開発にも取り組んでいた。
タタのグループ企業でインドITベンダー最大手、タタ・コンサルタンシー・サービシーズ(TCS)主導のもと、 プネーにあるタタの研究施設において、もみ殻の灰を使ったフィルターが開発された。低価格車ナノ・プロジェクト同様、 このプロジェクトも数年前から稼動している。アジア最大のソフトウェア・サービス会社は、開発したフィルターを、 マハーラーシュトラ州などの飲み水が不足している地域で展開を始めた。TCSは、この商品の特許を取得している。
フィルターの原料が、もみ殻の灰やセメント、小石など、手に入りやすい原料でできていれば、飲み水をつくることが簡単になる。 もみ殻の灰には、活性シリカや炭素が含まれており、水から色、匂い、微生物を取り除く働きをする。
このシステムは、200ルピー(約580円)以下で手に入るという。
Voice of India 1月14日より転載